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中古マンション・中古住宅の安全性

中古マンションや中古一戸建てを購入する事に不安があるという声を良く聞きます。今、日本の中古住宅市場の体制ではそう思われるのに無理はありません。

欧米に比べて中古住宅市場の売買体制が遅れているという事も言われています。

しかし、単純に欧米と比べるのは酷な事でもあるのです。

 

まず、日本は歴史的に見ると木造建築文化の宿命である、

大火によって事ある毎に焼け野原になっており、

歴史的に建物のスクラップ&ビルドの感覚が身に染み付いている

国民であるという事が言えます。

そして、地震は日常茶飯事、台風は必ず毎年やって来る、

そして多湿な気候と欧米の比にならないぐらいに

住宅を健全に保全するのが厳しい環境にあります。

 

そんな日本において、中古のストック住宅が沢山あるので、

皆さん買って下さいと言ったって、そう簡単に広がるものではありません。

それでも、近年の世界的なCO2削減を目的とした持続可能な社会を構築する為に、

そして低炭素社会貢献への先進国としての責任、

地球の資源を大切に使うという動きに日本が逆らう訳には行かず、

むしろ率先して取り組まなければならない事でもあるのです。

 

行政の方でも、中古住宅を購入した後、

新築同様に5年間の瑕疵についての保険を作ったり、

200年住宅構想等、急ピッチで中古住宅を安心して売買が出来るような

体制作りが進んでいます。

これらの制度はフル活用すべきでしょう。

 

しかし、問題もあります。根本的な問題なのですが、

こう言った制度の審査は相当にいい加減だという事です。

実際、保険の審査や旧住宅金融公庫の検査等の立会いをすると解かるのですが、

受けている側がこれで良いのか?と心配になる程です。

保険は活用するものであり、安心を手に入れるものではありません。

保険に入っている物件が安心な物件では無いのです。

厳しいようですが、あくまでも自己責任で判断をするしかありません。

ほとんどの中古不動産情報には、

建物の安全性について読み取れる情報はありません。

せいぜい築年数と新耐震基準改正の時期(1981年と2000年)を比較するか、

大手ゼネコンと言うブランド力の記載程度です。

住宅金融公庫の審査が通るから安全だ、等という

都市伝説に近い判断をする事すらあります。

 

耐震偽造のような事件が起きている以上、

絶対的に信頼出来るものは何もありません。

とは言っても、

築年数が経てば経つほど、そのサインは建物自体が発してくれます

一番信頼出来るのはこの建物からのサインを受け取って、

その建物が安全であるかを目視で判断する事です。

しかし、築年数が浅ければ浅い程、外に出て来るサインは少なくなり、

診断が難しくなります。

といっても破壊が伴うような本格的なマンションの耐震診断まで行うのは無理です。ただ、できる限りの診断はすべきです。

破壊をしないで、鉄筋の入り具合を確認したり、

コンクリート強度を測定する事は安易に出来るようになって来ています。

 

専門家による目視内部の鉄筋検査、コンクリート強度

程度は診断をすべきと考えます。

 

建物の価値は築年数でも無ければ、

施工会社のブランドでも無く、実際の建物が残存する期間です。

 

中古不動産の売買市場では、単に右から左へ物件を流通させるのはもっての他、

法律や保険だけでは無く、本当に建築を熟知し、

安全性を判断出来る者が仲介をする時代になっているのです。